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奈良でヴィンテージウォッチを扱う【RESUME】です。
当店で行っているオーバーホールの作業内容を紹介する ~古き良き緻密な世界~
第3回となる今回は、現在当店で取り扱っております「オメガ スピードマスターマークⅡ」の初期チェック時に行った風防交換について、ご紹介いたします。
オメガを代表するモデルの1つである、「スピードマスター」
クロノグラフ(ストップウォッチ)機能を持ち、初代モデルはNASA公式採用時計として採用され、月への第一歩を記したニール・アームストロング船長がミッション中に着用していたことから、「ムーンウォッチ」とも呼ばれる人気モデルです。
さて、今回の「スピードマスター マークⅡ」
当店が入荷した際はガラス風防が写真の状況で、ガラス風防には傷や曇りが見られ、時計の顔とも言えるタキメーターの一部には欠けが見られる、ダメージが深刻な状態でした。
【曇りがきつく、文字盤が見にくい上に、タキメーターの文字が欠けていたりと コンディションは良くありません】
【風防の裏には緑青が発生しています】
風防を新品に交換すれば済む話ではありますが、実は時計で一番修理をしにくいと言われているのが、風防、ケース、リューズ、針などの「外装パーツ」と呼ばれる箇所です。
時計の本体とも言える「ムーブメント」は、メーカーが製造する際に各パーツのストックを大量に作ります。
しかし、ケースや針などは基本的に壊れにくい箇所なので、メーカーもあまり余剰パーツは作りません。
それゆえに「外装パーツ」を破損させてしまうと、パーツの在庫が見つかりにくい、または、修理費用が高くなる…といったケースも珍しくありません。
さらに今回のケースでは、タキメーターがガラス風防に直接プリントされた特殊風防であることに加え、マークⅡは希少性が高いモデルなので、風防を美しい状態に修理するのは、非常に困難といえる状況でした。
『時計技師は修理の技術はもちろん、当時の珍しいパーツでも入手可能なネットワークがあるのか…』
前回のブログでもお伝えしていましたが、優秀な時計修理技師の条件として大事なポイントでもあるパーツの供給ネットワーク。
【希少なデッドストック風防】
当店専属技師はそのようなネットワークもあるため、当時のオメガ純正風防で、さらに、デッドストックコンディションの風防を入手。
無事に風防を交換し、ベストコンディションへと復活しました。
今では世界一風防が美しい「スピードマスター マークⅡ」として扱っております。
【これが本来の表情。スポーティなデザインが魅力的です】
当店では、できる限りにおいて、オリジナルコンディションにこだわっているので、初期チェック時に、必要な箇所は先に修理、交換をしてから店頭に並べております。
すべてはお客様に安心してヴィンテージウォッチをお使いいただく為に...
当店にて時計をご購入する際に、気になることやご質問などございましたら、出来る限りのご対応、回答させて頂きますので、いつでもお問合せくださいませ。
それでは、今後とも【RESUME】をよろしくお願い申し上げます。